7月26~27日、1泊2日の日程で、国立立山青少年自然の家を主会場に5、6年生65名が宿泊学習へ行ってきました。以下にその概略を記します。
出発式
前日までの雨がやみ、5、6年生のために晴れてくれたようなさわやかな朝日がまぶしい中、込尾さんの司会で出発式です。南野さんは、「宿泊をとても楽しみにしていた。目当てを守って楽しい宿泊学習にしたい。」などと、元気よく挨拶をしました。
称名滝
落差350mを誇る、日本一の名瀑にびっくり。数日来の雨の影響か流れ落ちる水量とその水しぶきがすごい。隣の落差500mというハンノキ滝もしっかり確認でき、大自然の雄大さと素晴らしさに感動!
入所式、昼食
自然の家に到着後、さっそく入所式です。霧雨のため、館内で実施。舟貝さんの司会で、校長先生が「友達のいいところを見付けよう」と話され、大村さんが「きまりを守って楽しく活動します。」などと、入所の言葉を述べました。所員さんからもお話しがあり、いよいよ待ちに待った活動が始まりました。とはいえ、先ずは昼食。自然の家のバイキング最高!と、カレーやうどんのお代わりをする人続出。おいしいからと言って、食べ過ぎ注意!
食事の後は、テント泊の準備。自分が泊まるテントの中を掃除しメザラとマットを敷いた後、シュラフ、シーツ、ランタン、蚊取り線香などを準備し明るい内にテント内を整えます。これで寝る準備は完璧!
野外炊飯
さあ、晩ご飯の準備だ。各班、米を洗う人、食材を切る人、竈に薪をくべる人、テーブルを整える人など、グループで相談した担当を、皆真剣に取り組みました。一生懸命に取り組むものの、タマネギを刻みながら目が痛いと言う子、木材に火が付かないと焦る子など悪戦苦闘の連続でした。それでも、意外に上手に米をとぐ子、包丁を鮮やかに操り食材をリズムよく切り刻む子など、家庭科学習の成果か日頃のお手伝いの賜か・・・。さすが高学年と感心する事も多くありました。そして、おそるおそるご飯を炊いている鍋の蓋を開けると「おお~っ」と、満足げな声。
今回、本当に全班のご飯、カレーの出来具合は最高でした。ご飯は焦げ目がなくもちもち、カレーは適度のとろみ。さすが、桃李っ子、日頃の学習の成果か!
確かにカレーライスの味は最高でした、それは①皆がそれぞれの担当を責任もってやり遂げ、協力した結果 ②そのやり遂げた充実感を胸に、一つのテーブルを囲んで笑顔で食べたから ③屋外で食べる開放感・・・など、それぞれの思いが交差していたからでしょう。後日、ある子が「先生、あのカレーもう一度食べたいね。」と、そっと言っていました。
夜は待ちに待ったキャンプファイヤー
夜のとばりが落ちようとする中、火の神(村上さん)がトーチに火をかざし厳かに入場。トーチを受け取った営火長が友情の火を村口さん、感謝の火を柿山さん、努力の火を瀧本さん、希望の火を尾山さん、そして、勇気の火を谷さんにそれぞれ分火しました。分火された火は誓いの言葉とともにファイヤーに点火されると、赤々と火が燃え上がりました。それぞれが誓った6つの火は1つになって、大きくなり、君たちの誓い確かに聞いたぞ、応援するぞ、と、ばかりに夜空を焦がしました。
その後、レクリエーション係が企画・運営したゲームは大いに盛り上がりました。爆弾ゲーム、数集まり、伝言ゲーム、フォークダンスマイム・マイムと進み、マイムマイムではアンコールの声がかかるほどでした。楽しい時間はあっという間に過ぎ、最後に校長先生から「感謝」についてお話しがあり、充実したキャンプファイヤーが終わりました。
2日目 来拝山登山
目指すは標高899.3mの来拝山。来拝山は立山信仰と深く関連しており、来拝という山名は,昔その頂上に登り立山を拝んだことから付いたといわれています。その頂上へ65名全員が挑戦しまた。来拝山の登り口はやや平坦ですが笹や枝をかき分け登っていきます。そのうち、勾配がきつくなり、やがて木の根や枝をつかんで登る急な山道になります。子供たちは思った以上にきつい坂や登りハシゴに戸惑いながらも登り続けます。もう少し、もう少し・・・と。それでも、ひどくて、苦しくて、とうとうくじけそうになった時、どうしてここまでしなくちゃいけないのか、もうやめよう・・・、いやまだできる。頂上はもうすぐだ・・・など、葛藤が心を大きく揺さぶります。そんな時、「○○ちゃんがんばれ!」「もう少しやぞ~」と、仲間の声がかかります。悩んで悩んだ末、よし、もう一歩出そう・・・。
今回、全参加者65名が見事全員そろって登頂を成し遂げました。上記のように、苦しい時もたくさんあったでしょうが、自分自身への挑戦に勝ったのです。途中くじけそうになった自分を奮い立たせることができたという自信、力になってくれた友達への感謝、先生のサポートへの感謝、そして、何より私だってやればできるという達成感と充実感。来拝山登山を通して子供たちの学んだことは少なくなかったような気がしています。
下山後、昼食弁当を摂り、竹内さんの司会で亀田さんが退所の言葉を述べた退所式も無事終了し、その後、立山カルデラ砂防博物館へと移動し教材映画を視聴しました。学校へは約30分遅れの到着で、迎えの方々にはご心配をおかけしました。
最後の帰校式では、子供たちのやや疲れた表情の中、佐々木さんの司会で永山さんが、「称名滝見学、野外炊飯、テント泊、登山などでたくさん学ぶことができた。この経験を学校や家庭での生活に生かしていきたい。」などと帰校の挨拶を述べ、全日程が無事終了しました。
学校生活だけではできない経験を宿泊学習を通して学ぶ。今回の宿泊学習の目当ての一つに、思いやりの心でふれ合い、仲よく力を合わせて共同生活を行うことを通して、友情を高め合う、とある。称名滝の見学では感動、野外炊飯では協力、キャンプファイヤーでは調和、登山では克服など、大自然や友達との関わりの中で様々な学びを得た子供たち。一つ一つのプログラムに果敢に挑戦し成し遂げ成長していく子供たち。そんなすばらしい姿を見せてくれたあなたたちに、私達指導者も学ぶ事多く感謝。